PTSD(Post-traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害)

典型的には、フラッシュバックと呼ばれる現実感のある記憶の想起や悪夢などの症状が発生し、情動の鈍化や外傷体験を想起させる活動や状況に対する回避的行動が出て、睡眠障害・焦燥感や怒りの爆発・集中困難・ちょっとしたことにも過剰に驚くなどの状態(覚醒の亢進)がでてくることがあります。

PTSDとは、激烈な恐怖体験の後に生ずる精神的異常状態のことをいいます。
これまで戦争帰還兵やレイプ被害者について論じられてきたもので、交通事故の領域では、横浜地裁平成10年6月8日判決判タ1002号221頁(確定)が、PTSDが後遺障害等級7級4号に該当すると認めたことに端を発し、大阪地裁平成11年2月25日判決自保ジャーナル1287号2頁が同様の判決をした(控訴後の大阪高裁平成13年3月27日判決自保ジャーナル1392号1頁もPTSDを結果的に認定)ことから、全国的に同様の訴訟が提起されクローズアップされるようになりました。

今日では医師が使用する判断基準
ICD-10
DSM-Ⅳ
の示す
 
自分又は他人が死ぬ又は重傷を負うような外傷的な出来事を体験したこと、
外傷的な出来事が継続的に再体験されていること、
外傷と関連した刺激を持続的に回避すること、
持続的な覚醒亢進症状があるという要件を厳格に適用していく必要がある
 
と判示した東京地裁平成14年7月17日判決判時1792号92頁以降PTSDの事案は減少傾向にあり、高次脳機能障害の事案が増加している傾向にあるようです。

ただし、PTSDというのは程度概念ですから、その判断基準を満たす場合は、なお後遺障害の請求が可能なように思われます。

医学と法律の領域をまたぐ難しい問題ですので、
このような法律問題に成熟している当法律事務所へご相談下さい。


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